モクモグテラス
近年、林業が低迷する中で、各地で山、製材、建築家等々が、問題解決に挑むも、なかなか良い手立てが見つからない現状である。感度の高い林業家たちは、広葉樹を植樹し始めるものの、構想を達成するためには長い時間を要する。
本施設のオーナーは林業家で製材業を営んでいる日本でも有数の大径材を加工する製材所であり、全国の神社、仏閣等に多く納品しており、近年では商業施設からの需要もあり業績を伸ばしている。
設計としては、材木をふんだんに使用し、木造のあたたかみを意匠として、木々の美しい建物を目指した。意匠の材木も展示となりえることから、各所に様々なサイズの材木を使用することで、展示品となるようにした。
アプローチは、幅の広い板材をランダムに配置し壁と見立て、内外のつなぎ目をあいまいにして多用途に使用できるスペースとした。アプローチでありながら地域のコミュニティの場として、野菜や果物を販売するマルシェにもなりうるし、地域の様々な人が使用でき、訪れた人が触れ合える場所となる。
林業が衰退することで、町が疲弊し過疎化していくなか、買い物支援の施設をオープンすることで街の活性化を図る。本施設は買い物支援の一助を担えるよう、弁当・パン・惣菜品などを販売するだけでなく、林業の町のランドマークとなるような施設を目指した。
ウッドデザイン賞受賞
「ウッドデザイン賞2023」のライフスタイルデザイン部門(建築・空間分野)において、ウッドデザイン賞を受賞しました。