浜佐デザイン事務所
ここ数十年、特に住宅建築は、ホームメーカーの台頭によりユニット化・パターン化され、工事の効率化・合理化が進んだ。それに伴い、工事を担う職人技術は低下し、団塊の世代が居なくなることにより、職人の技術力は大きく低下した。本事務所でも設計・施工するものとして、技術力の低下は如実に感じている。
“CNCルーターの活用”
「職人仕事」が激減し技術継承が難しい時代となり、IT化された「CNCルーター」もその一部であると思われたが、「CNCルーター」の活用の仕方によっては大工仕事を機械化するのみならず、コスト面で難しかったことや人の技術では難しいことも実現が可能となる可能性を感じた。今後は、IT化された「CNCルーター」が技術継承を行い、「CNCルーター」の活用が職人を育てる一助を担う、これは、技術を高めるための合理化であると考える。
“在来工法の加工時に出る40㎝の端材で生み出すハニカム材”
木材を加工すると端材が生まれる。今までであればチップにしたり、捨てていたものだが、ハニカム構造として使用することで、無駄を大きく省くことができ、廃材の抑制に繋がる。ハニカム材としての使用がアップサイクル及びSDGsの一助になることを望む。
本建築の用途としては、打ち合わせやアトリエとして使用するほか、アート作品を展示したり面白がる人が集まるコミュニティの場である。周囲が森に囲まれているため全面ガラス張りとし、ハニカム材が美しい景色をフレームとして切り取る。