阿児の家
住宅団地とは、計画的かつ効率的にあるようでその実、押し込められたイメージは拭えない。
現代の希薄な人間関係がさらにそれを助長しており、設計者としてあまり好みではない。
そこへ在っておおらかな性格の夫婦の為の住宅である。
住空間がのびやかで快適であるようにしたいと考え、庭と外界を仕切る塀を外壁の様な収まりにした。
庭はリビングの様であくまでも庭であるが大きさ以上の広がりを感じる。
樋の無い屋根からは容赦なく降り落ちる雨が1日だけの水盤を造る。
植栽は季節を教えてくれる。これから成長すれば屋根から飛び出たように見えることだろう。
お風呂から見えるトクサやマホニアはひっそりとしていてゆっくりと湯舟に浸かっていたくなる。