STOP BY JOE（カフェ）
観光業が低迷し長期間空家となっていた真珠店をリノベーションしてカフェとして再生。
RCラーメン構造の躯体は杉板の型枠でコンクリートが打ち込まれており
元々の仕上を解体するだけで簡単にデザインとなった。
ザラザラした肌触りは趣きがありカフェの用途として多くの人に好まれそうだ。
地域の問題の一つに、養殖業の激減によるイカダ（ナル材丸太）の投棄問題がある。
ゴミと成り果てた後、海に漂い続け関係者やボランティアが処理するもそれだけでは
追いつかない。
そのナル材を建築としてアップサイクルし、道具的になりがちな建築をアートとして
若しくはアートと融合出来ないか、そんな考えからこの計画は始まった。
クライアントは町おこしチームの仲間で、工事関係者もほとんどがこの町の住人という構成で工事は進んでいった。
美術家 如月愛もその一人で、議論を重ねながら工作になりがちな丸太という材をアートに昇華させた。
その作品はファサードではお客様を出迎える門となり、店内ではアートとして美しく点在する。
二階から見える港町の人々の暮らしも雑多ながらも美しく、設計者としてはそれこそがアートなのだと日々思う。